airaingood’s diary

このブログは、裏勝手に、自由に、裏の話(倫也さんの体調管理も含む)

ハムスター

どうも、ハムスターが亡くなったようですね。

そういえば昨年12月に

落ち込んでいるときがありました。

遠隔ヒーリングをした覚えがあります。

きっとその頃亡くなったのでしょうか。

中村倫也只今恋愛中

中村倫也さん、

一人だと、ずーっとバソコンや動画で、

ソファに寝落ちでは良くないですよね。

やはり幸せな結婚をして欲しいものです。

子供が、

出来たらめちゃくちゃ

可愛がるのでしょうね。


今は、マンションデートなのでしょうが、

うまく行っているようですね。

良かったです。

光の旅人 第二章 憎悪の交錯 後編②

「光の旅人」

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第二章 憎悪の交錯  完結編


論文を完成させ、

ようやく投稿にこぎつけて

誠一は一先ずホッとしていた。

発掘プロジェクトの方は

現地の役所関係との、

共有事項あるいは許可申請などに

手間取っているらしい。

発掘予定地の変更もあるかもしれない。


しかし、もう五月も終わりである。

本当に実現出来るのかは

不安にならざる負えない。

夏休みだからこそ、

参加できるのだが・・・。


しかし時期がずれた場合、

大学側に掛け合って見ようと思っていた。

今回のプロジェクトは、

世界でも有数の博士の集まる

グループで中々入れないのである。

そこに参加する事は

大学にとってもプラス要素になるだろう。


何故なら昔と違って、

現在では大学の数も頭打ち、

学生の絶対数の減少でどの大学も

学生の獲得に必死であるからだ。

それ故に大学側にとっては

大学のアピールポイントになる事は

大歓迎なのだ。

まぁ、その御蔭で

今回のプロジェクト参加に要する

全費用は、大学側が負担してくれる

ことになっている。



まぁそんなこんな、あったとしても

この二ヶ月間の忙しさからは

少し開放され、一段落と言ったところだ。



さて・・・

と誠一は、例の

解決方法を考えていた。

(心の声)
「生霊(イキリョウ)を静止状態に

するためには〜

怒りの感情を消すこと。」

言葉にすれば簡単な話だが、



面識のない人物に

「生霊の件で・・」

と会いに行くわけにも行かない。

そこで考えられる唯一の方法は

「量子脳理論」に基づく解決方法である。

生霊の現象は「量子もつれ」が

関わっていることと判断するならば

佐知子が加奈子に対し恨みや憎しみを

強く集中させてしまった時、

その思いは光よりも早く加奈子に到達

したはずだ。

それを量子のもつれ的には同期と

捉えて良いはずだ。


今回のことを

解決するためには、

量子もつれの法則にしたがって、

逆のことをすればよいだろう。

それを、私がやるのか・・。


と、少しの時間悩んでしまった。

人と関わりたくない自分が、

人の心の奥底の部分に

関わろうとしている。

誰に頼まれた訳でもないのに

そんなことまでやる必要はあるのか。


いや、

今は死人はまだ出ていないが、

これ以上交錯がエスカレートすれば

もっと多くの人を巻き込むかも

知れないし

死人が出ないとも限らない。


仕方が無い。

と誠一は腹を括ることにした。

しかし、

今まで誠一は「量子もつれ」を意識的に

強いエネルギーでコントロールすること

などやったことはない。

ただ理論的には出来るはずたと


「光の旅人」なのだから、

理解は出来ている。


量子もつれによって同期した状態の時、

光のプラス・マイナスをコントロール

することで意識の沈静化をはかることが

可能であると言うことだ。


それを実践するためには、

量子もつれを作り

同期をさせることである。


この場合のターゲットは、

松山佐知子である。

松山佐知子と書いて右手の人差し指で

名前をゆっくりと左から右にラインを

引くようになぞる。

(脳裏の映像)


松山佐知子が、円の中心に立っている。

離れたところに

誠一は、地上から少し浮いた状態で

立っている。


佐知子のまわりはモヤモヤと

灰色のスモークで覆われていた。

そして、身体の複数箇所で

バチバチと赤く青く光っていた。

誠一は両手を広げた。

すると太陽から注がれるように

黄金の光が、放射線状に誠一の

頭上から降り注がれた。


誠一は黄金の光に包まれた。

誠一は、

美佐子の近くにスッーっと

近づいて静止した。

それはまばゆいばかりの、

黄金の光のかたまりが、

音もなく移動したようだった。

光で包まれた誠一は両手を広げたまま

美佐子の周りを、右回りにゆっくりと回転し始めた。

1回〜2回〜3回・・

回っているうちに、

美佐子の身体を覆っていた灰色の

スモークは透明になっていく、

そして、バチバチ音を立てて光っていた

青と赤の光もどんどん消えていった。
 
4回・5回・6回〜

7回まわって静止した。

灰色のスモークは透明になっていき

光もなくなり

現象は全て消えた。

さらに8回目をゆっくりと回った。

誠一は回り終わると、

スーッと美佐子から音もなく離れた。

そこで映像は切れた。


・・・

誠一は、研究室の座り心地の良い

革張りの椅子に座っていた。

「終わった。・・・」



その日から一週間が過ぎた。


誠一はいつものように研究室の

座り心地の良い革張りの椅子に

座っていた。

夏に予定されているプロジェクトの

予定地が、変わるかも知れないと

報告が来てから、

新たな候補地を探っていた。

5カ国の教授達が、

それぞれに探しているのだから、

それが3日後にリモートミーティングで、

第2候補を決定することになっていた。


「おはよう御座います。教授!」

声が着ると同時にドアか空いた。

器用に肘で開けて入ってきたのは

両手にドトールコーヒー

持った優香だった。

スタスタと入って来て誠一の隣に立った。


誠一はその時始めて優香だと

気づいて驚いた。

「えっ・・」

思わず声が出てしまった。

ようやく頭を落ち着かせて

「大丈夫なのか?」

と優香に声をかけた。

「はい!大丈夫です。 

教授、コーヒーをどうぞ。」


コーヒーを受け取って

「あ〜 有難う。」

「教授、不思議な事があったんです。

聞いてください。」

それから優香は話し始めた。

「私の怪我のことでうちのママ、イライラしていたんです。もの凄く怒っていて!
もう気持ちを抑えられないって言ってました。

でも、一週間くらい前不思議な夢を

見たらしいんですけど、

それが、どういう訳か

眩しいくらいの金色の光に囲まれた教授

が現れてママの周りをぐるぐる

回ったって、  

そしたらスーッて、楽になって

気持ちが軽くなったって。」

誠一は思わず白を切った。

「私が〜」


「それが、まだあるんです。

その頃から私の後遺症の症状かどんどん

良くなって〜、本当はこんなに話しが、

出来なくて、ろれつか回らなくて、

それが、今はもう普通なんです。

昨日病院で検査してもらったんですけ

ど!もう大丈夫だろうって!

もう少し経過観察はあるみたいなんです

けど〜病院の先生も、

不思議だって言ってました。

教授は宇宙人?(笑)有難う

ございます。」


それを聞いて誠一は

「いやいや〜私には関係のないことだよ。

まぁ、でも良かったな。」


優香は、

いきなり約束を忘れてたとか

言い出して、バタバタと出ていった。


誠一は、ホッとしていた。

優香が買ってきてくれたコーヒーを

飲みながら、

「このコーヒー以外に美味しいじゃない

か」と独り言を言いながら

ニヤニヤしていた。

そんなにはっきり見えたのか!

彼女の母親は、

やはりエネルギーが強いんだな。

そのエネルギーを良いことに

使ってもらいたいものだ。



誠一には思いの外、

「有難うございます。」

の言葉は気分が良かった。


解決して本当に良かったと思いながら

美味しいコーヒーをまったりと

飲んでいた。

『ファーストラヴ』北川景子中村倫也らが作品を通じて感じた“愛”を語る
映画ランド編集部
映画『ファーストラヴ』初日舞台挨拶が11日、都内・TOHOシネマズ六本木ヒルズにて行われ、北川景子中村倫也芳根京子窪塚洋介板尾創路木村佳乃堤幸彦監督が登壇した。



観客を前にした登壇は初めての機会となった初日舞台挨拶。上映終了直後の余韻冷めやらぬ観客からの大きな拍手に迎えられ、北川景子中村倫也芳根京子窪塚洋介板尾創路木村佳乃堤幸彦監督が登壇。この日は全国314劇場へライブビューイングの同時生中継も行われており、カメラに大きく手を振りながら、中村がさっそく「全国ー!」とざっくり全国へ呼びかけて笑いを誘うなど、観客とこの作品とようやく共有できる喜びに一同が笑顔を見せた。



北川は「お越しいただいた皆様、全国の皆さまも観ていただいてありがとうございます。一昨年に撮影をして、やっと今日お届けすることができました。久しぶりにお客様の前で、そしてこの映画で舞台挨拶ができて、本当に嬉しいです」と感無量の表情で挨拶をすると、中村も「元気ですかっ!」と投げかけながら、「公開初日、久しぶりにお客様に会えましたし、全国の皆さんもいて、幕が開いたんだなと実感しています。ぜひこれから見に来る方はハンカチのご用意を…花粉も飛びはじめたみたいですし(笑)」とユーモアあふれる挨拶で続け、芳根は「宣伝ではちょっと不安になりながら『2月11日公開です!』と言っていたのですが、今日こうして舞台に立てて本当に嬉しく思います。この作品で、少しでも皆さんにも希望の光が見えたらいいなと願っています」と安堵をにじませた。



窪塚は中継カメラに手を振りながら「板尾さーん!元気ですかっ!」と真横に立つ板尾へ呼びかけつつ、「本日は最高の晴天、青空で、この映画を撮影したときの青空も今日みたいな日だったと記憶しています」とコメント、木村は「本当は優しい普通のお母さんを演じたいんですが、鬼のような母を演じて…(笑)。監督とご一緒したかったのでなんとか食らいついて…演じてる間、本当に心が痛くて苦しかったんです。(娘役の芳根が)かわいそうで、本当だったら『ウチの子はやってません!』ってやりたかったんですけど…」と上映後とはいえ勢い余りそうな様子に、同じ所属事務所の中村から「先輩、ネタバレ気を付けてください!(笑)」と鋭い静止が入る一幕も。板尾は「元気ですね。」と窪塚の呼びかけに答えつつ「2019年に撮った作品で、寝かしてちょうど見ごろになってます。あのトイレが××××××…なぜ裁判で××××…」とこちらもネタバレ全開の勢いに、またも中村が「全部言いますね!(笑)」としっかり止めに入って会場を沸かせた。



<ファーストラヴ>のタイトルに秘められた真実をめぐり、“愛”の意味を問いかける作品とあって、この作品を通じて感じた“愛”について話が及び、北川が「つい最近、(木村)佳乃さんから『景子ちゃん大丈夫?疲れてない?』とお電話をいただいて、その声が凄く優しくて少し泣いてしまった。その電話のあと頑張ろうと思えました」と明かしたエピソードに、木村は「どうしよう内緒にしてた話が…恥ずかしい…汗かいちゃいました…」と動揺していると、なんと突如窪塚のポケットで携帯電話が鳴りだすハプニングが発生し、会場が盛り上がった。



続けて中村はエンドロールの背景で流れる映像について「ある日、台本にない十数行のセリフをポンと渡されて…ゾっとしたんですけど、迦葉の普段働いている姿、本編で描かれていない姿を救い上げてくれるところに監督の愛を感じました」と撮影中のエピソードを明かした。さらに芳根が「私自身北川さんから愛をいただいて、環菜も北川さん演じる由紀から愛をいただいた。あの時期ちょっと悩んでいたりもしていて、私の心を“景さん”が癒してくれた」と語ると、隣にいた中村から熱視線が…、芳根が「中村さんが北川さんのこと“景ちゃん”って呼んでるのがうらやましくて、私も“景さん”って呼ばせてもらってます!」と対抗心を燃やすと、中村は「(芳根は北川のことが)好きすぎるんですよ!」と芳根の“北川愛”の大きさにあらためて驚いていた。



窪塚は「堤監督と12年ぶりに一緒に仕事をさせていただいて、当時あった情熱、現場に向かう心意気みたいなものがより燃え盛ってて、北川さんや中村さんのお芝居も愛が無かったらやっていけないことだと思う。それを支えてくれる製作や現場のスタッフ、配給のために動いてくれているスタッフの皆さんの愛もあってこうして呼んでもらって話させてもらえるのが本当にありがたい。今この場所で愛を感じてます」と照れながらも熱いコメントを表した。



板尾も「打ち上げのとき、監督が裁判風のクイズと賞品には高級食パンを用意してくれて、スタッフに対する労いを感じた。僕はもらえなかったけどそのパンがとても優しそうなパンで、それがすべてを表している気がします」と監督の愛情を明かしていた。木村は「セットでの撮影が終わって車で帰っていたら、狭い道でドン詰まりになってしまって…。困って制作スタッフさんに電話してみたら、猛ダッシュで2人走ってきてくださって、ものすごい運転テクで抜けてくれた。惚れてしまいました」と撮影中のトラブルに対応したスタッフへの感謝を語った。



最後に改めて、堤監督が「このような日を迎えられて幸せです。こんなご時世で、明るくないように見えるかもしれないけれど、この作品は心の奥にある闇や影のその先にほっこり明るいものがあると信じて作っていた。仕上げは大変な時期と重なりましたが、たくさんの皆さんのご意見、スタッフの力、この素晴らしいキャストの皆さんの力で、自信をもってお届けできる作品だと信じております。全身全霊という言葉がぴったりの作品。」と力を込め、北川も「長い間宣伝活動もしてきて、ここが見所です、といろいろお話もしてきたんですけど、今日幕が開いて、皆さまの感じたいように感じて受け取っていただけたらそれ以上嬉しいことはないと思っています。届かなかった、受け取れるはずだった、すれ違った、いろんな”愛”の物語なのですが、私は皆さんとこの作品を作ることが出来て、主演をやらせていただけたことで本当にたくさんの愛をいただき感謝の気持ちでいっぱい。たくさんの人に届いたら良いなと思います」と感慨深げに締め、タイトルに相応しい“愛”にあふれた初日舞台挨拶となった。

光の旅人 第二章 憎悪の交錯 1

光の旅人

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第二章 憎悪の交錯  1


誠一は研究室で人工衛星から送ら

れてくる画像を分析していた。


トントン

「教授〜 松山です。」

「どーぞ」

2年生の松山優香だった。

大学の敷地内にあるドトールコーヒー

から買って来たのだろう。

両手にコーヒーを持って器用に

ドアを開けて入ってきた。

誠一は振り返ることなく

作業を続けていた。

優香が誠一の座っている椅子の

となりに立ち

「教授、コーヒーどうぞ」

誠一はその時、

はじめて優香の顔を見た。

な心の中で、

「あれっ?なんだあ〜この顔」

松山優香の顔・・・

左の額、丁度こめかみに近い場所から

モヤモヤと煙のようなものが

出ている。

さらに、その煙が、

出ている額の辺りが

バチバチ(実際には音はしない)と

赤、青、の光が見えている。


(心の声)
「これは・・・」

優香が、

「私の顔に何かついてます?」


「あ〜、いや。 君は今日は、どうし

た?」


「あ〜! はい。

あの〜教授は、発掘現場とかは

行かれないのですか?」


「行くよ。 と言うか夏には

行くかもしれないね。

申し込みをしているところだが、」


「ヘぇ、すごいですね。」

「まぁ、発掘と一言で言っても中々

大変でね。

大昔の集落の跡、遺跡の跡が今も

そのままという事は先ず無いからね。

地上に何らかの建造物などが

あることが多い。

それか深い森の中だったり、

スムーズに発掘できたら

ラッキーだけどね。」

と答えながら、優香の顔の現象を

考えていた。

(心の声)
「それにしても何だろう、

 この感じ

・・以前にも見たことがある。

何だ? いつだ?」


「ところで、松山君は

授業は受けているようだが、

本当に宇宙考古学に

興味があるのか?」


すると優香は、

バレたか・・的な様子で

「う〜ん。 て、言うか

私、最近彼が出来たんです。

それでその彼が、熱く語るんです。

 宇宙考古学の話・・

だから、天王寺教授の情報が

あったら、

話のネタになるかなーって。ヘヘ」


(心の声)

「何だ、この子は。 

私はダシにされていたのか。 

 仮にも私は教授だぞー。

馴れ馴れしくも、

こんな話をズケズケと隠すことも

なく話すとは?

あ〜十数年で人種は変わってしまう

のか、恐ろしいものだ。

・・そんな私は大昔の事を調べて

いるんだから・・笑えるな。」


誠一は

「彼って・・。 近藤玲穩 君か?」

と聞いてみた。

「やだー!そうです。」

と優香が、

バレたかと言うように答えた。


(心の声)

「何だ、ズボしか!」

誠一の脳裏に近藤の授業を

受けている様子が浮かんだ。

「そうか!彼は確かに熱心だな。」

すると・・

近藤玲穩が誠一の前に現れた。

いやいや、脳の中のことである。

あくまでも周りには、

何も現れてもいないし、

何も見えていないのだ。

その誠一の脳裏に現れた

近藤玲穩は・・


あれーっ!


両足と右の腕ののところに

絡みついている、霧状のものがある。

どす黒い・・ピンク?!

そして、それとは別に彼の上半身には

ピンクとオレンジが混ざっった

ような霧状のものが〜。


その時

「教授! 発掘には大学生は、

行けないんですか?」


誠一は脳内の映像から開放され、

「う・・〜ん、 

行けないという規定はないが、

実際には難しいだろうな。

発掘作業自体のプロジェクトは、

限られているし、

有名な博士のグループに入るために

は、かなりの知識と経験といった

アピール要素が必要だろうな〜。」


そこまで聞いて、

諦めた様子になった。

なんて分かりやすい子なんだろう。

「そうなんですね。 

じゃあ難しいだのか!

それにしても教授は、

小さい頃から宇宙工学に興味が

あったんですか?」


(誠一の心の声)

「何だこの子は、友達のようにこんな

話を平気で私にするのか・・。

教授とは、もっと権威や威厳が

あるものではないのか。

まぁ私もルーキーな訳だから。」



「教授〜。」

「あ〜、そうだな。
本当は、天体観測に興味が

あったんだ。

宇宙の謎を解き明かしたいと

思っていたが、

人工衛星を使った考古学を知って、

面白いと思ってしまったんだな。」

(誠一の心の声)
あの頃はたのしかったなあ・・と

思い出に・・ハッとした。

いや、遊んでるわけには行かない。

「松山君、大した要件がないなら、

私は解析がしたいから失礼するよ。」

と言いながら松山の顔を見ると、

やはりバチバチと光が出ていた。

モヤモヤとした煙のようなもの。

それで・・

余計な一言を発してしまった。

「まぁ、近藤くんは女の子に

人気があるみたいだから、

外の女の子に恨まれないように

気をつけて・・」

まで言って、慌てて口を閉じた。

すかさず、優香は

「えーっ!意外!!

教授がそんなこと言うなんて。」


照れ隠しのように誠一は

「いいから、私はもう作業に戻るよ。

コーヒーありがとう。」

右手を上げて小さく振った。

もうこれでお終い・・というように。

優香は。明るく

「はーい。失礼しまーす。

また来ます。」


優香はドアを開けて出て行った。

誠一の頭は先程からのせいで

作業どころではなかった。

気になって、

胸騒ぎがして落ち着かない。


(誠一の心の声)

「優香は、誰かに恨まれているかもしれない。しかし、左の額に現象が出ていると言うことは・・

身内、血の繋がりがある親族、いとこ、親戚と言うことになる。

一体?誰に恨まれているのか。

しかも、あの額の現象は、

近々にその恨みを持っている者が

行動を起こす可能性が強いようだ。


さらに〜近藤玲穩だ。彼は、

モテモテらしいが、

複数の女性からの思いが体を

包んでいる。

ただ、彼の中には誰も入っていない。

まじ合うことが出来ないような、

彼の心が、女性達に向いていない

ように感じられる。  

しかし・・だ!

足にまとわり付いているのは、

ちょっと異様だ!

ストーカーを感じてしまう。

彼の動きを封じているような・・。

しかし彼は、交わり合えていないのが

功を奏しているようだ。

実際には周りにまとわり付いて

いるだけで彼の中には入れず、

彼には今の所何の影響もないよう

だ。

ただ、そう言っても足にまとわり

付いている女性が、

松山優香に恨みを抱いているとした

ら〜。」
その時、ピン!

と何かが恥じける音がした。(脳内の音)

(誠一の心の声)

「そうか、ズボしか!

となると、松山優香に被害が生じる

可能性がある。

いやいや〜、余計なことには首を

突っ込まないほうが良い。

子供の頃の教訓だ。」

誠一は、思い直して、

何も無かったかのように

人工衛星からの画像解析を始めた。



翌日の朝、誠一は大学に向かっていた。

今日の講義は午後からなのだが、

論文の仕上げをしなければならないのだ。

年に数本は、

それぞれの学会に出すのだが毎回、

全く新しいものを投稿する訳ではない。


論文とは大概一つの大きなテーマの

ものに対して、

大きな軸になる論文を作り

それに、

足したり引いたり、

または部分的にピックアップしたり、

あるいは、ベースは同じだが、

角度を変えて〜などなど。


つまり、仕上げというのは、

そういう論文のインパクトの

持ち方や見せ方、

最近では画像などを上手く使う

(以前よりもかなり制度が高い映像)

ことも、パホーマンスとしては、

効果はあるだろう。


宇宙考古学という学問はまだまだ、

実践も少ないためデータ的な、

分析が多い分、

予想でしかない弱みはある。

まぁそれだけ地味な学問なのだが、

その中でも、

数少ない実践の場に携わることは、

非常に貴重な経験である。

そんな意味でありがたい事に、

昨日、帰る間際に

ビックニュースが、

メールで飛び込んできた。


兼ねて、申し込んでいた

今年の夏の各国合同の

発掘プロジェクトに参加が決まったのだ。


キャンパスに入ると、

生徒達がざわついていた。

何かあったのだろうか?とも思ったが

所詮、学生たちの話題なのだろう。

そう思いながら、

ざわついている、かたまりの横を

通り過ぎようとしたとき、

A
「それで、優香は大丈夫なの?」


B
「入院したらしい」


C

「どうも、近藤くんの取り合い?

じゃないかって」


A

「えーっ、優香と付き合ってるんじゃ

ないの?」


Ç

「それがー」


通り過ぎ、立ち止まるわけにも行かず

そこまでが限界、

聞こえなくなってしまった。

誠一はそのまま研究室に向かった。

背もたれの高い、

革張りの座り心地の良い椅子に

ゆったりと座り思いっきり

背もたれによりかかる。


(心の声)

「考えてもしょうがない。」

パソコンを立ち上げると

メールが届いていた。

大学の連絡事項だ。


メールの内容
・・・・・・・・・・

職員各位

4月20日(月)

キャンパス内負傷事件に伴う対応について


4月20日(月)

午後6:15頃

当キャンパス第2園庭において、

2年 松山優香
2年 平塚真美
同名が言い争う中で、平塚真美が手に持っていたスマホで松山優香の顔面を殴打、その反動で体のバランスが崩し、植え込みの根元の石に転倒、頭部を打ったものである。
松山優香は、意識を失い救急搬送され
入院に至る。現在は意識を取り戻し、
一週間の検査入院となっている。
校内での負傷事件ということで、
慎重な対処が求められるため、
取材等を含め、一切の発言は控えることを徹底事項として通達いたします。

   総務課 広報担当 佐藤路子
・・・・・・・・・・・・・・・・・・


誠一はメールを読み終った。

「昨日、ここを出たあとか・・」


それから、

無意識に、松山優香、平塚真美と書いて

松山優香から、一人ずつ人差し指で

マーカーでアンダー線を引くように

名前を謎った。

二人をなぞり終わると、

誠一の目の前にキャンパスの

園庭が広がった。


誠一は、地上から1メートル位浮かんでいる。

スーッと、二人の側に近づく。

(全てがイメージで行動できる。この場合二人のそばに近づくイメージである。)

会話が聞こえてきた。

「私が玲穩君と付き合っているん

だからね。ドロボーみたいにコソコソ

なにやってんのよ!」

と真美が言った。


「何言ってんのよ!玲穩君はあんた

なんかと付き合ってないって、

言ってたよ。一人舞い上がっている

だけじゃないの、バカみたい。」

と優香がののしる。


「ふざけないで!許さないから。」


バーン!


真美は、優香の顔めがけて

スマホで叩いたのだ。

優香は、グラっとよろけると、

後ずさりし、植え込みの石に躓き

そのまま、仰向けに転倒した。


ドーン


鈍い、嫌な音がした。


スーッと、映像が消えて行った。


誠一は、

胸騒ぎがしてならなかった。

(心の声)
これでは終わらない・・・。

ここから始まる・・?

それは、  嫌な予感しかしない。


関わりたくはないが

食い止めないと、

恐ろしい出来事がまた起こる・・・。


どうやって!食い止められるのか

一体これから何が起こるのか。


取り敢えず

今の所は、優香は意識を

取り戻したらしいから・・・。

先ずは論文を仕上げよう。

それからだ。


        後編へ続く

光の旅人・第一章 旅の始まり①

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「え〜!つまり、宇宙考古学の

発展により歴史に埋もれた謎の

解明が大いに期待されている。

具体的には、衛生リモセンによる

科学的なデータを駆使し、

遺跡の候補地の絞り込みや

遺跡の謎を解く研究を行うわけ

ですが、実際に複数の人工衛星

撮影した画像データを使用します。

NASA、ライドサット、

JAXA、それに、だいちなどです。」


そこで、

終わりのチャイムが鳴り響いた。


「それでは、今日はここまで。

次回はいよいよ対象になる遺跡と

検証の重要性について・・

それでは・・シーユー!」


やれやれと、誠一は思った。

講義を受けている何人が

本当に興味を持っているのか・・。

ただ、単位のためだけに講義を

受けている学生がほとんど

なのだろう・・と諦めていた。

こうして大学で教鞭を

とっているのは、広めるというより

自分のやりたい研究が、

堂々と出来るからであり、教鞭は

その代償・・位にしか

思っていなかった。

何故なら、人前に立つことは誠一に

とって最もやりたくない事の

一つだからである。

研究室に通じる廊下を半端、

ぼーっと歩いていると、

ふっと11歳のある日の自分が

浮かび上がった。


「あ〜!あの時だ。

この旅が始まったのは〜

そう、あの日。」

と頭の中で思いながら、

無意識のうちに研究室のドアを開け

背もたれの高い革のいかにも

座り心地の良さそうな椅子に座った。

そう11歳の天王寺誠一、

あれは夏休み前の日曜日だった。

幼馴染の、

二階堂葉地芽(ニカイドウハジメ

山崎俊二(ヤマザキシュンジ)

と共に近所の 角田川で遊んでいた。

そのうち、葉地芽が

「僕さ〜、学校の裏山で基地を

見つけたんだ。

そこに今から行こうよ。」

すると俊二は

「嫌だ。 川のほうがいい。

だって歩いて行くの、

暑いんだもん。僕は、川で遊ぶ。」


続いて誠一も「僕も川の方がいい。」

すると・・

葉地芽は、

「いいよ。一人で行くから。」

と言い残し、

川から上がり首に掛けていた

ガンダムのお気に入り

フェイスタオルで足を

ふきビーチサンダルを履いた。

「じゃ〜ね〜。」

という声を背中で聞きながら

誠一と俊二は川の中の

小さな小魚をなんとかタオルで

救おうと夢中になっていた。

そのうち4時の鐘が鳴ったので、

二人は川から上がり、

使っていたタオルを絞って、

足をふき、ビーチサンダルを履いて


二人で家路につく・・ 道々

たまごっちの話

「僕は、たまごっちがほしいのに

お母さんが、買ってくれないんだ。」

と俊二。

「僕だって買ってもらえないよ。」

と誠一。

たまごっちとは、

携帯デジタルペット、

卵の形をした小型携帯ゲームだ。

あまりにも流行したため、

学校に持ち込む子供達が増加したため

学校には持ち込み禁止となっていた。

それを受けて、保護者会でも

買い与えないといった意見もあり

二人の親も、

もれなく買ってくれない派だった。




さて、夕食も終わりTVを見ていた。

電話が鳴った。

母が対応しているようだ。

まもなく電話を切ると、

母が誠一のところにやって来て

「誠一!

今日、葉地芽くんと遊んだ?」

と聞いてきた。


「うん。 川で遊んだけど途中で

葉地芽くんは学校の裏山に行った。」


すると母は
「葉地芽くんのお母さんから

電話で、葉地芽くんが帰って

来ないって・・」


「え〜僕知らないよー!

・・二階堂葉地芽」と言いながら

何気にテーブルにあったペンで

チラシの裏

二階堂葉地芽

と書いて右手の人差し指で名前に

マーカーを引くように、

ゆっくり謎った。


・・・すると

不思議な事が起こった。

いや正しくは、

誠一の頭の中で起こったのだ。

なにやら、円形?!

いや無限のような感覚の円が

年輪のように広がり〜

さらに円の中心から

放射線状に線が広がっていた。

その中心に誠一自身が立っている。

そして次の瞬間すっと、

体が浮いた気がした。

・・・と思ったら

自分の体が360度きれいに

一回転して止まった。

すると、放射線状の一つの線が光り、

スーッと伸びていった。 

やがて、あるところで止まった。

その止まった地点が

瞬時に

中心に移動して、

周りの景色が360度

パノラマのように広がっていた。


次の瞬間

我に帰った。

「あっ! 葉地芽くん!

学校の裏山の洞窟の中・・

足を怪我してる。」


母は驚いたようすだったが直ぐに、

葉地芽くんのお母さんに電話をした。

「葉地芽くんが、学校の裏山の

洞窟の中だって・・私も行きます。」

電話を切ると、母は誠一に

「お母さん、学校の裏山に行って

くるけど、誠一はお風呂に入って

寝てなさい。」

と言うとバタバタと出かけていった。




翌日は、終業式だった。

しかし、葉地芽の姿はなかった。


そして夏休みに入ったのだ。



葉地芽くんは、

足を強く捻挫していて

終業式は大事を取って休んだそうだ。


その程度で済んで良かったのかも

しれないが、

思わぬ事から、

とんでもない噂が立ってしまった。

「誠一くんと俊二くんは、

葉地芽くんをいじめて洞窟に

置き去りにした。」

というものだった。

誠一も俊二もその日は、

裏山にも洞窟にも

行ってもいないのに、何故そんな

噂になってしまったのは・・・

それは

誠一のあの日の

不思議な体験のせいだ。

それを母親に伝えたからだった。

誠一以外の誰もが

誠一がそんな不思議体験をしていた

ことなど想像できる訳もなく、

また誠一も説明するにも、

不思議すぎて、どう言ったら

いいのか分からなかった。

母に
「どうして、分かったの?

本当は、あなた達が置いて

来たんじゃないの?!

怒らないから本当の事を

言いなさい。」

これでは、完全に容疑者扱いだ。

「だって分かったんだもん。」

「何言ってんの?!

謝らないなら、

今日のご飯は食べなくていい!!」

訳のわからない事で

訳のわからない容疑!

一緒に遊んでいた、

俊二にも怨まれてしまった。


こうして、

誠一の「光の旅のはじまり」は

とんでもない

嫌な思い出と、

トラウマの権現となってしまった。


それ以来、下手に話をすると

とんでもない事に

なると言うのが誠一の格言

となる程の苦い思い出だった。



さて、

研究室で、いつものように衛星の

画像の解析を始めた。

久しぶりに嫌な思い出を、

何故思い出したのだ!

と腹ただしく思いながら・・


実は・・・


あの11歳の夏から

現在までの間に・・

周りの人たちには、

ひたすら隠し続けてはいるのだが

実は「光の旅人」として

色々経験を重ね

かなり鮮明に、そして

コントロール

的確になっているのだ。


その辺については、

これから先の物語の中で

わかる事になるだろうと思う。

倫也さんに、演じてもらいたい人が主役で物語を書きます。

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「光の旅人」



〜 プロローグ




天王寺 誠一(34歳)は、

今年、大堂大学で教授になった

ばかりのルーキー教授である。


専門は「宇宙考古学」である。


*「宇宙考古学」とは、1988年に
開催された「宇宙考古学について」
と題する研究セミナーにおいて、
本研究会会長の坂田俊文、東海大名誉教授らが古代研究における衛星データの有効性と可能性について発表したことが始まりとされている。

それこそ、

誠一と同年齢の学問なのだ。

なぜ、彼がこの分野を専門とした

のかは物語の中で、

追々説明していく事として、

この物語には、もう一つの・・

いや〜

本当のスピンドルは、

彼の特殊能力の話である。


その前に・・

彼は、人間関係や

コミュニケーションと

言ったものをことごとく

避けて来た人物なのだ。

さて〜

その特殊能力は、

一言では説明し難いのだが、

あえて〜

簡単に表現するならば

実際の存在している世界では、

見えることのないはずの、

音や光景が見えたり

遠く離れている人の状況が

分かったりするのだ。

実は、もう少し複雑な事なのだが

取り敢えず

そんな変わった能力のために、

頼られたり利用されたり、

時には厄介なことに巻き込まれたり

していく・・・

自分が求めてもいない、

あるいは意図しないことに

振り回されたりしながら、
 
気付くと彼の周りには

いつも人がいて、

その中で生きている自分に

戸惑いながら社会に

順応していく話・・?なのか??

はたまた不思議話なのか

そう、スピンドル

彼の特殊能力・・

光に導かれて旅をする話・・

と言うことで

      始めよう。